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Faunas & Floras Phase2

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2011年 11月 23日

Wake up♯317 マメハンミョウ 2011

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「マメハンミョウ 2011 Summer」
Nikon D70/TAMRON SP90mm F2.8Di 272E/Photoshop CS2

ハンミョウとは「斑猫」であります。マダラネコではありません。
このハンミョウ、過去の歴史上、どうやらちょっとややこしいことになっていたらしいであります。

鞘翅目(コウチュウ目)ハンミョウ科と、鞘翅目(コウチュウ目)ツチハンミョウ科。
カンタリジンという猛毒をもっているのは後者のツチハンミョウ科であります。

江戸時代の初期に中国から渡来した「本草綱目」に書いてあった「斑猫」。これはツチハンミョウ科を意味していたのですが、ここで間違えてしまった。顔はいかついんだけど、毒をぜんぜん持ってないハンミョウ科の虫たちのことだと思ってしまった。

「本草綱目」を原典に漢方医学が発展し、薬だけでなく毒薬も調合され、「斑猫の粉」と呼ばれたその毒を用いて忍者なんかが暗殺を実行するわけですが、

原材料をまちがえてるから相手は死なない。

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「マメハンミョウ 2011 Summer」
Nikon D300/SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG HSM/Photoshop CS2

現実に、1683年に封をされた、黒田藩主の従医のツボから出てきたのは、毒なんてもってないナミハンミョウやハムシばかりだったとか。
1709年の「大和本草」、1803年「本草綱目啓蒙」も、いずれも誤訳のハンミョウ科を示してある。

で、成虫の体液に猛毒のカンタリジンをもってる本家、ツチハンミョウ科。日本では、なかでもカンタリジンの含有量がとりわけ多いのが、本日のこのマメハンミョウなのだそうです。

マメハンミョウは、つい近年まで、幼虫はイナゴの卵をたべる益虫だけれども、成虫は大豆の葉を食べる害虫である、でも成虫は体液に触れただけでも火傷状の水ぶくれになるから野外で出会ったら注意しましょうね!

という程度の認識しかされないままだったのでありました。


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by Faunas_and_Floras | 2011-11-23 23:42 | 周辺の河原(下流側)


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