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カテゴリ:Irregular serial ( 30 )


2012年 03月 20日

aside ♯24 並びモノ

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「シモフリトゲエダシャク 2011-2012 Winter」
Nikon D300/SIGMA 17-70mm F2.8-4.5 DC MACRO/Photoshop CS2

自分が撮影した画像を見ていて、ふと気づきました。
私は、なにかが並んでるというか、パターンになってるものが好きらしい(笑)

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「ウスバフユシャク 2011-2012 Winter」
Nikon D300/SIGMA 17-70mm F2.8-4.5 DC MACRO/Photoshop CS2

そう思って見返すと、あちこちにパターン化の写真が出てくる(笑)
並んでいるのは背景ばかりとは限らず。

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「グランドガゼル」 Kenya
Nikon FM2/Ai100-300mmF5.6s/Kodak PictureCD/Photoshop CS2

20年以上前に撮ったカットにすでにその傾向が(^▽^;)

虫にはナミアゲハとかナミテントウがいるけど、わたしのはナミ写真ですなぁσ(^_^;)
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by Faunas_and_Floras | 2012-03-20 23:37 | Irregular serial
2009年 04月 05日

Irregular serial ♯29 カバシタムクゲエダシャク捜索隊 2009

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「ロマンに釣られてみよう」KONICAMINOLTA DiMAGE X1/Photoshop CS2

和名、カバシタムクゲエダシャク。
学名、Sebastosema bubonarium。
日本での記録は10♂4♀(2009.4.5現在、♀の同定は暫定)。
韓国では2001年3月19日に♂の記録があります。
これ以外の情報が極端に少ないのが、この蛾の特徴でありますね。

日本における♂の最後の記録は約40年前、♀(同定は暫定)は約20年前です。
確認された個体数が少ないうえに記録が古いので、
現在、日本国内でカバシタムクゲエダシャクがどのような状況になっているか「まったくわからない」のであります。

というわけで4月4日。
このカバシタに「会いたい」というむちゃくちゃな理由だけで、行ってきました。
メンバーは一寸野虫さん、蛾LOVEさん、川北和倫さん、なおやんさん、そして真神ゆであります。
カバシタムクゲエダシャクは新潟県、秋田県、栃木県、東京都、群馬県で記録があります。
今回選んだのは栃木県のポイント、柳田町と鶴田町。
柳田町は、冬尺蛾研究の中島秀雄先生が1987年4月3日に産卵中の1♀(同定は暫定)を発見し、
これが国内で最後の記録になっています。
鶴田町は1963年4月4日に1♀(同定は暫定)、翌日4月5日に1♂が記録されており、
国内の同一地域で唯一、♂♀(同定は暫定)が採集された場所であります。

ところでなんで♀についてくどいように(同定は暫定)と記載しているかというと、
過去発見された4♀について「状況からカバシタムクゲエダシャクの♀と思われる」という域を
出ていないんであります。
カバシタムクゲエダシャクは冬尺蛾で、♂と♀の外観が大きく異なると推測されています。
したがってカバシタムクゲの♂と交尾している♀なら確実ですが、残念ながら交尾は一度も観察されたことはありません。
あるいは、♀が産卵した卵を飼育し、得られた子世代にカバシタムクゲの♂が含まれていれば確実ですが、これも成功したケースはありません。
もうひとつ、♂の標本と♀の標本をDNA検査することで追い込めそうな気がしますが、
DNA検査はマーカーと呼ばれる遺伝子をまず決める必要があります。
おおよそ2万個ある遺伝子情報のなかで、どこを比べれば「同種か別種か」を判別できるか、
まずそこから解明してゆかないといけないのであります。
という諸事情を考慮して、あえて♀の同定は暫定と記載させていただいておりますです。

さて、まずは柳田町に午前10時に到着したメンバー。
ところが空はどんどん曇ってゆきます。
気温は17℃前後とそこそこあるのですが、体感的にはなんだかもっと寒い感じ。
時折、薄雲越しにちらと日差しが射すものの、ナナホシテントウは草の葉の根元にあたまを突っ込み、
虫はみーんなお休みモードといった感じ。
あぅー、午前中だというのに、本日の営業終了ですか。
土手やあぜ道を歩けど虫影少なく寂しいまま柳田町でのカバシタ捜索は切り上げ。
なぜか土手に釣り人の人形が2体落ちてました。呪いの人形かと思ったよ。\(;゚∇゚)/
それともカバシタの化身ですか。

化かしたムクゲエダシャク。

まぁでも、あらゆる交通機関を駆使して「地球上で行けない場所はない」時代のなかで、
生き物については今なお身近なところにロマンがあるのであります♪
カバシタに興味をもたれた方、日本でも韓国でもいいですから、ぜひカバシタの謎を究明してみませんかo(*'▽'*)/☆

来年は、でかした!ムクゲエダシャクになるといいなぁ。。。
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by Faunas_and_Floras | 2009-04-05 11:21 | Irregular serial
2009年 03月 13日

Irregular serial ♯28 フチグロトゲエダシャク捜索隊 2009(その3)

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「フチグロトゲエダシャクの交尾 2009 Spring」
MINOLTA α9xi/A50mmF2.8Macro(I)/Fujifilm PRO400 New/FUJICOLOR CD/Photoshop CS2

話が前後いたしますが、7日の土曜日はトギレの前に近所の河原でフチグロ探しをいたしました。
トギレが先になったのは、フチグロをフイルムで撮影したので、
現像ができあがるまで画像を掲載できなかったのであります。

一昨日にようやく2♂を確認できましたので、今日はそこそこ数が見れるのではないかと
期待をこめてフチグロの姿をさがします。
結果、交尾1ペアを確認することができました。

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「フチグロトゲエダシャクの♀ 2009 Spring」
Nikon D300/TAMRON SP90mm F2.8Di 272E/Photoshop CS2

でも、一昨年までの♂の乱舞がウソのような個体数の少なさです。
昨年も少なかったけど、今年はさらに激減しているように感じます。
はたしてこれは、ピークがこれからなのか、それともなにかの要因で生息数に打撃があったのか、
なんとも気になるところであります。
逆に、もともと近所の河原ではこの程度の数で細々と累代していたのが、
たまたま一昨年とその前の年は大当たりだったのかもしれません。
とにもかくにも、数は少ないながらかろうじて次世代へは繋がっているようです。

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「産卵するフチグロトゲエダシャクの♀ 2009 Spring」
MINOLTA α9xi/A50mmF2.8Macro(I)/Fujifilm PRO400 New/FUJICOLOR CD/Photoshop CS2

フチグロの♂には、2パターンの飛翔活動があるように思えます。
1つは休息中に♀のフェロモンを感知して、一目散に飛んでゆくタイプ。
フチグロは昼行性で目が良いので、フェロモンの方向にすーっと飛んで行って、
♀の姿を視認するとストンと落ちて♀をハグします。
♀がちょっと薮のなかで見つかりにくい位置だと、匂いを頼りに右往左往することもありますが、
クロテンの♂が、♀がすぐ横にいるのになかなか発見できずに長時間あたふたしているのと比べ、
はるかに短時間で♀にたどり着きます。

もうひとつは、♀の匂いが感じられず、かといってライバルも多いときに、
草原上をぶっ飛んで我先に♀を探し出そうという飛翔です。
今年はこのぶっ飛びがぜんぜん見られませんでした。

近所のフチグロ定点観測も、そろそろ新しい視点で観察すべき時期にきているのかなぁと感じる、
今シーズンなのでありました。


Irregular serial ♯27 フチグロトゲエダシャク捜索隊 2009(その2)はこちら
Irregular serial ♯26 フチグロトゲエダシャク捜索隊 2009(その1)はこちら
Irregular serial ♯25 埼玉フチグロトゲエダシャク捜索隊 2009はこちら
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by Faunas_and_Floras | 2009-03-13 23:10 | Irregular serial
2009年 03月 06日

Irregular serial ♯27 フチグロトゲエダシャク捜索隊 2009(その2)

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「フチグロトゲエダシャク 2009 Spring」
Canon EOS Kiss Digital X/EF70-200mm F2.8L IS USM/EF12 II/Photoshop CS2

神奈川県内の他のポイントではとーっくにフチグロのシーズンが始まり、もう終わっちゃうよという状況なのに、
ウチの近所の河原ではあいかわらずフチグロが出てきません。
2月28日にも、チャオビの前に、一寸野虫さんたちと三人がかりで探しましたが、
フチグロの姿は確認できず。。。

あぅー、いいかげん勘弁してよー、気が気じゃないじゃん。

フチグロの羽化のタイミングは他の完全変態型昆虫と同様に積算温度で決まるようです。
この冬は各地で記録的な暖冬で、1月2月とのきなみ平均気温が高くなりました。
となると積算温度の蓄積も加速されて、例年より羽化が早まるように思えます。
実際、同じ県内の他のポイントでは2月15日にはすでにスレ気味のフチグロの♂の活動が確認されており、
埼玉県内のフチグロも2月10日には姿が確認されております。

で、なーんでウチの近所は3月になっても出てこないのよ??!!

悶々としつつ、昨日5日は晴天が広がったので一人で河原をのぞきに行ってきました。
例によってディアマンテを草地に突っ込んで、カメラ抱えてフチグロポイントを歩き回ります。
そういえば、ここって、年々草の丈がぼさぼさに伸び放題になってきてるような気がします。
最大の優先種はおそらくシナダレスズメガヤとよばれる、強固に根を張る草本です。
もともと護岸土壌を安定させるために導入されたものがどんどこ増えていってしまい、
この種により各地で従来からのミヤコグサやカワラケツメイ、カワラノギクが圧迫されて
危機的状況に追いやられた原因のひとつになっているようです。

そこでミヤコグサ・カワラケツメイ・カワラノギクを保全するために、
保全地域によってはシナダレスズメガヤを徹底的に駆除しているところも多いようです。

がしかし。

シナダレスズメガヤを急激に駆除しまくり、ごく短期間に生息環境を変貌させることは、
ミヤコグサ・カワラケツメイ・カワラノギク、そしてそれを食草としているシルビアシジミ、
ツマグロキチョウなどにとっては良い結果を生むかもしれませんが、
逆にその他のレッドデータ記載生物に甚大な影響が及ぶリスクも考えられ、
そこまで論議されているサイトはいまのところ発見できていません。

ウチの近所の河原だけでも、アオハダトンボ(神奈川県レッドデータ:絶滅危惧Ⅱ類)、
オオミノガ(同:絶滅危惧Ⅱ類)、オツネントンボ(同:絶滅危惧Ⅱ類)、
カトリヤンマ(同:準絶滅危惧)、ギンイチモンジセセリ(同:準絶滅危惧)、ミヤマアカネ(同:準絶滅危惧)、モノサシトンボ(同:準絶滅危惧)、
フチグロトゲエダシャク(同:希少種)、
クロイトトンボ(同:要注意種)、シオヤトンボ(同:要注意種)、ナツアカネ(同:要注意種)、ハグロトンボ(同:要注意種)、ハラビロトンボ(同:要注意種)、マユタテアカネ(同:要注意種)、ミヤマチャバネセセリ(同:要注意種)、リスアカネ(同:要注意種)、スズムシ(同:要注意種)、
ムモンアカシジミ(同:情報不足)、などなどがいます。
専門家がもっと徹底的に調査すればもっとたくさんの種の発見があると思うのですが、
このような種を含め、実情を調査して包括的に環境改善をしていかないと危険な気がしてなりません。
現況への変化だって最低でも10年近い単位で移ろっていったと思いますし、
「河川敷が(とくに外来の)草本植物で荒れてるから」という見方だけで、
重機を投入してごく短期間に「もとに戻しました」は危なくなくなくなくなくない??
って思っちゃうんですけど σ(^_^;)

さて本題のフチグロトゲエダシャク。
ポイントをじっくり歩き回ること3時間、ようやく2♂を確認できました。
いずれも近づいた私に驚いて飛び出したもので、おそらく羽化して間もない個体だったと推測しています。
ちなみに♀さがしの飛翔は見られませんでした。

いやー、埼玉から遅れること、ほぼ1ヶ月ですか。
ここまで遅れる原因ってなんなんでしょ。
とにもかくにも姿を確認できて、ほっと一安心の一日でありました♪

Irregular serial ♯26 フチグロトゲエダシャク捜索隊 2009(その1)はこちら
Irregular serial ♯25 埼玉フチグロトゲエダシャク捜索隊 2009はこちら
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by Faunas_and_Floras | 2009-03-06 20:26 | Irregular serial
2009年 03月 03日

Irregular serial ♯26 フチグロトゲエダシャク捜索隊 2009(その1)

2日の月曜日はひさびさに晴れ間が広がったので、近所の河原にフチグロの様子を見に行ってきました。
風はあるものの、気温的にはフチグロが飛んでもおかしくない陽気です。
越冬から覚めたキタテハが2頭ほど日なたぼっこしていました。
うーん、この気温でも2頭かぁ。少ないな。
近所の河原でフチグロがピークのときには、だいたいいつも「えーい、まぎらわしい!」というくらい
キタテハがたくさん出てきます。
同じ県内では2月15日にはもうフチグロが確認されているのに、
なんでウチの近所はまだ出てこないんだろう。
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けっきょく、13時までねばりましたがフチグロの姿は確認できず。
まさか絶滅はしてないと思うんだけど、ちょっと心配になります。
ヤマカガシの幼体の亡骸が放置されていました。
着実に生き物の活動ははじまっているようです。
しかしこのヤマカガシ、なんで落命したのかな。
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もうハナダイコンがあちこちで花を咲かせていました。
ハナダイコンを見ると、ビロードツリアブを思い出します(笑)。
さすがにこの日はまだいませんでしたけど、ビロードちゃんが出てきたら、
もうスプリングエフェメラルシーズン幕開けであります。
今年はニホンセセリモドキという蛾をなんとか撮りたいであります。
ギフチョウは ... どうしようかなσ(^_^;)
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一人でフィールドに行くときは、車かスクーターです。
平地がほとんどないのでチャリは老体にはきついであります(||´д`)o=3=3ガハゲヘゴホガハ
naturingさんがサイクリングで颯爽と街を駆け抜けてるのがクールでうらやましいであります。

薮だらけの場所に鳥やら虫やらを求めて突っ込んでゆくのでディアマンテの車体はキズだらけであります。
ホントはこんな場所に入っていっちゃいけない車種なんですけど、よほどスタックしそうにないかぎり突入します。
突入したら、あとはひたすら歩きます。
鳥撮りの人はそのまま車内でレンズかまえて待つ人が多いですけど、
私はあえて歩きながら撮影するようにしています。
ホントはチャリで行ってその先で歩くのが健康的なんでしょうけど(;^_^A アセアセ・・・

ところでフチグロにかぎらず、完全変態の昆虫は成虫に羽化するタイミングを積算温度で調節するパターンが多いそうです。
クワガタもフチグロも蛹の期間を土中で過ごすので、日照時間はわかんないんでしょうね。
で、この積算温度を調べることができればフィールドでの羽化のタイミングもわかりやすくなるのですが、
じゃあどうやって積算温度って調べるんでしょう?
spaticaさん、なにか素人にもできる方法ってないですかー??

Irregular serial ♯25 埼玉フチグロトゲエダシャク捜索隊 2009はこちら
Irregular serial ♯21 フチグロトゲエダシャク捜索隊2008(その4)はこちら
Irregular serial ♯20 フチグロトゲエダシャク捜索隊2008(その3)はこちら
Irregular serial ♯19 フチグロトゲエダシャク捜索隊2008(その2)はこちら
Irregular serial ♯18 フチグロトゲエダシャク捜索隊2008(その1)はこちら
フチグロトゲエダシャク捜索隊2007(2007.3.6)はこちら
フチグロトゲエダシャク捜索隊2007(2007.2.25)はこちら
Test ♯125「フチグロトゲエダシャクの交尾」はこちら
Test ♯124「フチグロトゲエダシャク」はこちら
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by Faunas_and_Floras | 2009-03-03 23:44 | Irregular serial
2009年 02月 21日

Irregular serial ♯25 埼玉フチグロトゲエダシャク捜索隊 2009

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「埼玉県産フチグロトゲエダシャク 2009 Spring」
Canon EOS Kiss Digital X/EF-S10-22mm USM/トリミング/Photoshop CS2

1981年以来、確認報告がなかった埼玉県のフチグロトゲエダシャク。
埼玉県レッドデータ2008年版では「絶滅危惧I類」になっています。
これより上のランクは「絶滅」と「野生絶滅」のふたつだけ。
まさに崖っぷち、後が無い状況なのが「絶滅危惧I類」なのであります。

一方で、埼玉県に限らずフチグロの新産地発見の報はなかなかありません。
草原性の種ですから「絶滅危惧I類」なのは確かであると同時に、「情報不足」カテゴリーにも
あてはまるのが、フチグロトゲエダシャクの現状ではないかと感じています。

新産地を探すくらいなら素人の私にもできるんじゃあるまいか、と思って、
昨年は荒川の一部を探してみましたが、みごとに玉砕。
うーん、やっぱり埼玉にはフチグロはいないのかしら ... と思っていたところ、
夢見ぬ蝶愛好家の部屋のふかし氏が2008年3月1日に埼玉県内でフチグロを確認されたとの情報を聞きました。

さっそく、ふかし氏に連絡をとり詳細を聞かせていただくとともに、
蛾類学会ならびにフユシャク研究の第一人者である中島秀雄先生への報告の許諾をいただきました。
チーカナには、がんもさん、蛾LOVEさん、シノブさんと3名の学会員がおりますので、
たとえ自分たちの発見でなくとも、学術的に価値のあることについて橋渡しすることも役割のひとつだと思っていますです。
昨年中に蛾類学会で、埼玉県内でふかし氏により27年ぶりに再確認されたことをプレゼン発表し、
現在も、がんもさんと蛾LOVEさんに文書での発表の準備を進めていただいておりますです。

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「埼玉県産フチグロトゲエダシャク 2009 Spring」
Canon EOS Kiss Digital X/Canon Macro Photo Lens 35mmF2.8/内蔵ストロボ/Photoshop CS2

ふかし氏の偉業を知ったのはすでにフチグロのシーズンが終わったあとでしたので、
今年、満を持して埼玉県産フチグロを見に行ってきました。
今回は故郷・埼玉のトンボのMatszさん親子、狭山市の自然のATSさん、なんとなーく昆虫撮影の川北和倫さんにお声をおかけしました。
3人とも埼玉県を中心に精力的にフィールドに出ている方々です。
そしてチーカナはシノブさんと私が参加しました。

最近はDNAバーコードなど、最新機器を導入して行う研究がさかんになり、
アマチュアの入る余地がないと悲観する意見がありますが、私は違うと思っていますです。
高額な機器を使用する研究は、それらを導入できる組織にやってもらえばよいわけで、
たとえば新生息地の発見などは地元に密着したアマチュアが断然有利であります。
今回も、Matszさん、ATSさん、川北さんにフチグロの環境を見ていただいて、
埼玉県内の新たなフチグロポイント発見につながるといいなと思っています。

さて朝10時に集合しポイントに行って驚いたのは、私が知る神奈川県内のポイントとまったく環境が違うことでした。

正直、

え!ホントにここにフチグロがいるの!?

と思ってしまいました。

でも数日前に川北さんが偵察し♂が飛ぶ姿を見ているので、フチグロが棲息しているのは間違いありません。
小学生のGanakoちゃんを先頭に、20代、30代、そして40代オーバーの面々が目を凝らしてフチグロを探しながら歩を進めます。
ここで圧倒的なフチグロ発見能力を発揮したのがシノブさんでした。

いた!!!!!!

と叫ぶと同時に、斜面だろうがなんだろうが猛ダッシュしてフチグロを追いかけます。

すごい。。。
シノブさんがこんな無駄のない俊敏な動きしてるのはじめて見た。

前の晩のテレビの深夜番組で
ジャニーズのV6相手に大立ち回りしてきた
同一人物とは思えない
Σ(゚д゚;)

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「産卵する埼玉県産フチグロトゲエダシャクの♀ 2009 Spring」
Nikon D300/SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG HSM/Photoshop CS2

しかし北風が強いせいか、飛んでもかなり低いところを蛇行してゆくのですぐに見失ってしまいます。
ウチの近所の河原だと、私の背より高い位置をぶっ飛んでいくこともしばしばあるんですけどねー。
これじゃ撮影は無理かなぁと思い始めていたときでした。
川北さんが♂を見つけ追ってゆくと、ひょいと草地に着地しました。
そこにいたのはフチグロの♀。
「おおっ、交尾だあー O(≧▽≦)O ワーイ♪」

一気にテンションがあがる捜索隊メンバー。
交尾が解除されたあともしばらく♂は飛び去ることなく、シノブさんの指にのっかるサービスぶり。
フチグロの♀は交尾後すぐに産卵を開始するので、みんなで産卵の様子を観察しました。

ところで今回、シノブさんにはフチグロの採集・標本作製をお願いしました。
小学生のGanakoちゃんは「どうして捕まえちゃうの?写真じゃダメなの?」と不思議そうでしたが、
標本を残すことには学術的にとても重要な意味があります。
一例ですが、先に述べたDNAバーコードで調査するにはサンプルが必要になります。
この場合、写真だけではどうにもなりません。

がしかし、学術的な意味合いでの採集と「タコ獲り」は区別されなくてはならないと思います。
したがって

獲らせません、産むまでは。

というわけで♀が産卵しているあいだ、じーっと待機。
フチグロの♀は飛べないとはいえ、歩行での移動能力が高いので、
とにかく間近で目を離さないようにしていないともう二度と見つかりません。

2時間経過。

ずっと「待て」だったポチ犬シノブさんに1♂1♀を採集してもらい、
産卵された枝を茂みの奥に移動させて、
埼玉フチグロ捜索隊は無事に終了したのでありました。

Matszさん、ATSさん、川北さん、シノブさん、お疲れさまでした♪
また、貴重な情報を快く提供くださった、ふかし氏に厚くお礼申しあげます。
ありがとうございました☆

Irregular serial ♯21 フチグロトゲエダシャク捜索隊2008(その4)はこちら
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by Faunas_and_Floras | 2009-02-21 21:19 | Irregular serial
2008年 07月 13日

Irregular serial ♯24 アオハダトンボ 2008(その3)

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「アオハダトンボのメス 2008」
Canon EOS Kiss Digital X/EF70-200mm F2.8L IS USM/EF12_2/Photoshop CS2

トンボの生息域はじつに不思議で、比較的近い場所にカワトンボspやキイトトンボがいるのに、近所の河原では見られません。
逆にカワトンボspやキイトトンボがいる場所ではアオハダトンボの姿がありません。

ガやチョウなど鱗翅目の場合は食草の有無が関係してきます。これは肉食のトンボの場合は餌があるかどうか、ということになりますですね。
でも近縁のカワトンボとアオハダトンボで、ヤゴ時代に食べるエサの種類が異なるとは思えないであります。
水質も関係してきますが、両種とも水質に敏感ですし、上流と下流にカワトンボspがいてその中間にアオハダトンボがいるとなると、少なくともこの2種については餌や水質以外の条件で棲み分けしているということなのでしょう。

うーん、そこが知りたい。☆!☆?☆ (☆_◎) ☆!☆?☆

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「アオハダトンボのメス 2008」
Canon EOS Kiss Digital X/EF70-200mm F2.8L IS USM/EF12_2/Photoshop CS2

たとえば田んぼがひろがる場所で、人にはどう見ても「同じ」にしか見えない休耕田でも、かたやトンボたちが集結しさかんに繁殖活動が行われ、その隣はぜんぜんトンボがいない、というケースがあるそうです。

このパターンはけっこういろいろなトンボで見られるようなので、もしかしたらトンボって群集心理が働くんじゃ?と思ってしまいます。
鳥の場合は、あるんですよ、群集心理。
有名なのは絶滅に瀕するアホウドリの繁殖をうながすためデコイを置き、アホウドリのつがいが鳴き交わす声をスピーカーで流すというプロジェクトでしょうか。
最近ではコアジサシについてもデコイが使われています。

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「アオハダトンボの産卵」
Canon EOS Kiss Digital X/EF70-200mm F2.8L IS USM/EF12_2/Photoshop CS2

近所の河原では、今年もアオハダトンボの産卵活動を確認できました。
オスが求愛のためメスの前で「水に流される」というディスプレイは残念ながら今年も見ることができませんでしたが、来年のお楽しみ、と思うことにしませう。

もしかしたらアオハダトンボも、海洋堂なみのリアルなデコイを配置したら生息範囲を広げてくれるのかなぁ??

Irregular serial ♯23 アオハダトンボ 2008(その2)はこちら
Irregular serial ♯22 アオハダトンボ 2008(その1)はこちら

Irregular serial ♯17「アオハダトンボ」はこちら
Irregular serial ♯14「アオハダトンボ」はこちら
Irregular serial ♯13「アオハダトンボ」はこちら
Irregular serial ♯12「アオハダトンボの産卵」はこちら
Irregular serial ♯11「アオハダトンボ」はこちら
Irregular serial ♯10「アオハダトンボ」はこちら
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by Faunas_and_Floras | 2008-07-13 20:39 | Irregular serial
2008年 07月 05日

Irregular serial ♯23 アオハダトンボ 2008(その2)

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「アオハダトンボ 2008」
Canon EOS Kiss Digital X/EF70-200mm F2.8L IS USM/EF12_2/Photoshop CS2

アオハダトンボとハグロトンボはよく似ています。
実際、近所の河原には両種とも繁殖しています。
でも圧倒的に数が多いのはハグロトンボのほうであります。

最近は都市部の緑地公園にある池沼でもハグロトンボの姿が見られるようになりましたが、
アオハダトンボに関してはあいかわらず局地的な分布のままのようです。

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「アオハダトンボ 2008」
Nikon D300/SIGMA 17-70mm F2.8-4.5 DC MACRO/Photoshop CS2

アオハダトンボとハグロトンボは両者ともに繁殖場所として似た環境を選択します。
きれいな水が流れ込み水草や抽水植物群落が繁茂していること。
付近に成熟までを過ごす林緑があること。
でもハグロトンボはこれでよいらしいのですが、
アオハダトンボはこのほかにもまだ知られていない条件を満たしていないと
繁殖地として選ばないように思われます。
それが何なのか解明できれば、各地で行われているアオハダトンボ保護が大きく前進すると思います。

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「アオハダトンボ 2008」
Canon EOS Kiss Digital X/EF70-200mm F2.8L IS USM/EF12_2/Photoshop CS2

素人なりに推理してみたのですが、まず植生。
ただ抽水植物があればよいというのではなく、抽水植物のなかでも例えばミクリなど、
特定の種がないとダメなのではというがひとつ。
これは蛾や蝶など鱗翅目をみていて感じました。
野蚕のオオミズアオとオナガミズアオは容姿がそっくりですが、
オオミズアオがわりと「なんでも喰い」に近いのに対し、
オナガミズアオはハンノキしか食べません。
トンボの幼虫(ヤゴ)は肉食性ですから、ふつう植生は関係ないと思いがちですけど、
意外となにか関わりがあるのかもしれません。

二つ目は、水質のpH値。
ただ水質がきれいだというだけでなく、伏流水などが地下を通るときに含んだミネラルでpH値になにか特徴がでている可能性はないのでしょうか。

うーん、エコと叫ばれる昨今、
身の回りの環境調査を自分で手軽にできるキットとか、
どこかで売り出してくれないかなぁ。

Irregular serial ♯22 アオハダトンボ 2008(その1)はこちら

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Irregular serial ♯12「アオハダトンボの産卵」はこちら
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by Faunas_and_Floras | 2008-07-05 20:56 | Irregular serial
2008年 07月 01日

Irregular serial ♯22 アオハダトンボ 2008(その1)

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「アオハダトンボ 2008」
Nikon D300/SIGMA 17-70mm F2.8-4.5 DC MACRO/Photoshop CS2

近所の河原では、今年も無事にアオハダトンボの姿が確認できました。
でも、年々、ビミョーに数が少なくなってるように感じます。
また昨年の台風の影響で河原の地形が変わってしまったことが関係あるのか、昨年はアオハダトンボがまったく姿がみられなかった場所に、今年はテリトリーをかまえるオスの姿を数頭見かけました。

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「アオハダトンボ 2008」
Canon EOS Kiss Digital X/EF70-200mm F2.8L IS USM/EF12_2/Photoshop CS2

昨年は、ひとつ上流側の河川敷でもアオハダトンボの棲息を確認しました。
でも近所の河原よりさらに数が少なく、今年も数回見に行きましたがメスを1頭しか確認できていません。
(撮影はできませんでしたので、今日のカットはすべて近所の河原のアオハダトンボです。)

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「アオハダトンボ 2008」RICOH Caplio GX8/Photoshop CS2

下流側の河川敷にも数カ所、生息地があるハズなのですが、こちらはなかなか偵察に行くことができていません。
おそらく近所の河原の対岸にもいるだろうと思うのですが、こちらも、どうやって道から河川敷に降りればよいのかわからず踏み込めていない状態。
キトンボが近所の河原から1990年代に姿を消してしまったように、アオハダトンボまでもがいなくなってしまわないよう、なにか抜本的な対策がとれればよいのですが、いかんせんアオハダトンボは生態に謎が多く、どの条件がそろうとそこに産卵するのかさえまだはっきりと解明されていません。

聞き耳頭巾が欲しいであります(´・ω・`)

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by Faunas_and_Floras | 2008-07-01 22:58 | Irregular serial
2008年 03月 24日

Irregular serial ♯21 フチグロトゲエダシャク捜索隊2008(その4)

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「荒川河川敷」 RICOH Caplio GX8/Photoshop CS2

フチグロトゲエダシャクは埼玉県ではレッドデータ絶滅危惧種に指定されています。
埼玉県での記録はさいたま市田島で記録がありますが、矢野高広氏が1981年に採集して以来発見されていないそうです。ここ1〜2年で、東京都、千葉県、神奈川県では記録があるのに、なーんで埼玉県だけフチグロが見つからないのでしょう。

いちばんの理由は、

探す人がいない

ということですね。
ただでさえ蛾ですし(^▽^;)、早春のごく一時期のしかも昼行性、生息地も局限していて十分に調査されていない地域が多く、生息地の細やかな性格がつかめていないのであります。

じゃぁ、せめて「探す」だけなら私のような素人にもできるんじゃあるまいか、というワケで埼玉県まで行ってみました。
とはいえ広い埼玉県。そこでまずポイントを絞るために、フチグロが生息するウチの近所の河原とよく似ていそうな場所をさがしました。方法は Google Map の航空写真画像であります。これで各地の航空写真の画像を見て行って、今回選んだのは荒川の花園インターチェンジ付近の河川敷。

ところが航空写真で見るのと現場に行って見てみたのでは大違い。

砂です。

今回河川敷を10数キロ歩きましたけど、ずーっと厚い砂地なんであります。まるで海岸の砂浜を歩いているかのようでした。砂地でも草が生え菜の花が盛りでしたが、近所のフチグロのいる河原とは明らかに環境が違います。
ときおり、「あ、ここならフチグロがいても良さそうだな」という場所もあり、しばらくオスが飛ばないか見ていたのですが、残念ながら姿は確認できず。

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「荒川河川敷」 RICOH Caplio GX8/Photoshop CS2

そしてトドメはこれ。
荒川はその名の通り過去に幾度となく洪水による氾濫を繰り返し「荒ぶる川」と呼ばれたのが由来で、その「荒ぶる川」を治水する必要性は十分理解できます。でも、時はすでに21世紀。流域の人々の命と生活を守り、なをかつ河川敷で命を育むたくさんの生命をも守る手法というものが考えられてもよいのではないかという気がします。
そのためにも、もっともっと生態研究を活発にしないといけませんし、そこへ至る根底の部分としてケモノでも野鳥でも虫でも、日本人がもっと生き物に対して興味をもつことが必要だと思います。

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「フチグロトゲエダシャク」(このカットのみ 2007.3.3 神奈川県で撮影)
Canon EOS 20D/EF70-200mm F2.8L IS USM/EF12 II/Photoshop CS2

Irregular serial ♯20 フチグロトゲエダシャク捜索隊2008(その3)はこちら
Irregular serial ♯19 フチグロトゲエダシャク捜索隊2008(その2)はこちら
Irregular serial ♯18 フチグロトゲエダシャク捜索隊2008(その1)はこちら
フチグロトゲエダシャク捜索隊2007(2007.3.6)はこちら
フチグロトゲエダシャク捜索隊2007(2007.2.25)はこちら
Test ♯125「フチグロトゲエダシャクの交尾」はこちら
Test ♯124「フチグロトゲエダシャク」はこちら
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by Faunas_and_Floras | 2008-03-24 23:24 | Irregular serial