2009年 01月 27日

Test ♯960 フユシャクのメス捜索隊 2008-2009 Winter

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「♀を奪い合うクロテンフユシャクの♂」
Nikon D300/TAMRON SP90mm F2.8Di 272E/内蔵ストロボ/Photoshop CS2

無事にイチモジの♀と出会えた日は、夕方に地元に戻って糖蜜をすることに。

静まり返る、冬の雑木林。
外灯もなく、夜の帳が降りるにつれ雑木林は闇に包まれてゆきます。
その闇に呼応するかのように、
ちらちらとフユシャクの♂たちが林内を飛び交いはじめました。
「これはウスバですね。こちらは、クロテンだ。」

糖蜜を仕込み、一服してからキリガが飛来してないか巡回をはじめます。
一昨年や、その前の年にはキリガが当たり年だったのか、
1回の糖蜜で100や200という頭数が飛来することも稀ではなかったそうです。
でも咋冬はどこで糖蜜しても、結果はしょんぼりとした感じ。
この日も10頭は飛来しなかったと思います。

巡回していたら、足下の薮で複数のフユシャクの♂が低空飛行でわらわら集っています。
ぴん!ときました。
「この半径1m内に♀がいますね。」
キリガ巡回そっちのけで、狭い範囲にどんどん集まってくる♂の動きを注意深く見守ります。
♂は薮の小枝をお腹で掃除するかのようにすりすりしながら飛んでいます。
♀のフェロモンを強く感じているのだけど、その♀が付近のどこにいるのか定まらず、
♀がいないか小枝に身をこすりながら触覚で探しているようです。

数頭だった♂は、あっというまに二ケタをこえる数に増えました。
「いた!」
ライトの先、葉のうえにちょこんと小さな突起物。
クロテンの♀であります。
すぐに1頭の♂がすり寄り、マウントを試みます。
でもライトに照らされたことに危機感を感じたのか、
交尾が成立したと思えない短時間でマウントを解除して♂は飛び去ってしまいました。

ふと見ると、あんなにたくさんいた他の♂たちも、すっかり姿が見えなくなっています。
どうやらライトに照らされて、♀がフェロモンの放出をやめてしまったようであります。
そこでライトを消して、じっと我慢比べをしてみました。
ほぼ10分後。
ふたたびたくさんの♂たちがわらわらと集まってきました。
ライトを点けたいのを、ぐっっとこらえて5分、
そろりそろりと♀のいたあたりを照らしてみると♂がマウントしています。
でもやっぱり、ライトを嫌がって交尾を解除してしまいました。

ふたたび闇のなかで待つこと10分。
どうやら♀は安全基準のひとつとして、おおむね10分程度様子見するみたいであります。
さすがに慣れてきたのか、今度は照らしても交尾を解除しませんでした。

♀の周囲を♂がわらわら飛び回る光景は、
フチグロトゲエダシャクとクロテンフユシャクで見たことがあります。
フチグロの場合、昼行性で目もよいのか、複数の♂がわらわら集まる頃には
目ざとい♂がすでに♀を独占してしまっていることが多い気がするのですが、
日没後に交尾するクロテンの場合、
闇夜のなかで♀のフェロモンの匂いだけで探すからでしょうか、
あとから飛んできても、まだ誰も♀にたどり着けてなくて
あとから来た♂が逆転さよならプロポーズに成功する率が高いように思えます。

これが外灯のある公園とかだと、♀の位置が視覚で確認できて
状況がかわってくるのかな。

それにしてもフェロモンの威力って、すごいなぁと感じた晩でございました。
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by Faunas_and_Floras | 2009-01-27 22:58 | 近隣の水系


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