人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Faunas & Floras Phase2

fandf.exblog.jp
ブログトップ
2008年 04月 13日

Test ♯838 てふてふ捜索隊 スギタニルリシジミ 2008

Test ♯838 てふてふ捜索隊 スギタニルリシジミ 2008_e0065734_3465819.jpg

「渓流を下るスギタニルリシジミ」
Nikon D300/TAMRON SP90mm F2.8Di 272E/Photoshop CS2

昨年は幾度か目にはしていたけど、写真に撮れなかったスギタニルリシジミ。
その憧れのスギタニルリシジミが、なんと渓谷沿いに上流から下流へと舞い降りてゆくというのです。

見たい!撮れなくてもいいから見てみたい!!

というわけでFLAVORさんに無理なお願いをし、
一寸野虫さんとともに4月12日に同行させていただきました。
1枚目の写真は、唯一写せた、渓流下りをするスギタニルリ。
中央やや下の白い水流に、飛翔する小さな三角形が写っているのがお分かりになるでしょうか。
腰を下ろしてじっと見ていると、ずっと上流のほうから次々とスギタニルリが姿を現し、
渓谷の流れに沿うように舞うように、低空をひらひらと飛んでくるのです。
それはまるで、水流の飛沫がそのまま蝶の姿に昇華したかのような幻想的な光景でした。

Test ♯838 てふてふ捜索隊 スギタニルリシジミ 2008_e0065734_413241.jpg

「スギタニルリシジミ 2008 Spring」
Nikon D300/SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG HSM/Photoshop CS2

当日は曇りがちで、時折、陽が射す天気でした。
上流から降りてきたスギタニルリが葉にとまり、体温を上げようと翅を開いていました。
我々も動いていると暑くなるのですが、休憩して腰を下ろすと渓谷のひんやりした風でとたんに肌寒く感じます。とうぜんスギタニルリも同じで、そのまま元気よく通り過ぎてゆく個体もあれば、小休止して体温を上げようとする個体もいました。

Test ♯838 てふてふ捜索隊 スギタニルリシジミ 2008_e0065734_421523.jpg

「手のりスギタニルリシジミ」 RICOH Caplio GX8/Photoshop CS2

小休止していた子のうち1頭が手のりしてくれました。♪~♪ d(⌒o⌒)b♪~♪
なぜかこの子は翅を閉じたとき、左右の翅が微妙にズレてますですね。
口吻で指を舐めているいるのは汗を吸っているんだと思います。

こうして見ると、ちっちゃいですよね!
近縁のルリシジミとの区別点のひとつである、毛がもこもこなのがよくわかります。
その、もこもこ毛の周囲が暗い色彩なのもルリとの区別の要素になるそうです。

Test ♯838 てふてふ捜索隊 スギタニルリシジミ 2008_e0065734_4271687.jpg

「翅を倒すスギタニルリシジミ」
Nikon D300/SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG HSM/Photoshop CS2

こちらでは落ち葉のうえで横倒しになっています。
コツバメなど静止したときでも翅をなかなか開かない種が体温を上げるために日差しの方向にこうして身体を傾けることがありますが、このときは陽が陰ってしまっているので、おそらく風をよける意味合いも含めたうえでの行動だと思います。
小さい身体で、いろいろ考えてるんですね。

Test ♯838 てふてふ捜索隊 スギタニルリシジミ 2008_e0065734_4323844.jpg

「休息するスギタニルリシジミ」 RICOH Caplio GX8/Photoshop CS2

ちょっと翅が欠けています。鳥かなにかについばまれたのでしょうか。
遠くで桜が咲き誇り、花びらが散り始めています。
この日は蝶にとってはちょっと活動しにくい気候だったようです。スギタニルリは、それこそ40〜50頭は下流に向かって行ったのではないかという数でしたが、その他の蝶はルリシジミやツマキチョウ、スジグロシロチョウなどを数頭見ただけでした。
スギタニルリの元気さがやけに印象的な一日でした。

Test ♯838 てふてふ捜索隊 スギタニルリシジミ 2008_e0065734_4403515.jpg

「スギタニルリシジミの開翅」
Nikon D300/SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG HSM/Photoshop CS2

近寄っても逃げない子がいたので、じーっと根比べをしてみました。
翅を開くと表面のブルーが目に鮮やかです。
でも本人も目立つということがわかっているのでしょうか、ちょっと気になることがあるとすぐに翅を閉じてしまいます。
そこからまた根比べの始まりです。息をひそめて15分くらいフリーズしていたら、ふたたび翅を開いて見事なブルーを見せてくれました。

Test ♯838 てふてふ捜索隊 スギタニルリシジミ 2008_e0065734_4463038.jpg

「スギタニルリシジミ 2008 Spring」
Nikon D300/SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG HSM/Photoshop CS2

この日は午前中はまだそこそこ日差しがあったのですが、昼前からどんよりと曇りになってしまいました。でも、スギタニルリを撮るにはラッキーな天気だったのかもしれません。
午前中の日差しで活動を開始したものの途中で曇ってしまったので、沢下りをしていたうちの何割かの個体が休息しておとなしく被写体になってくれたからです。

Test ♯838 てふてふ捜索隊 スギタニルリシジミ 2008_e0065734_453063.jpg

「スギタニルリシジミ 2008 Spring」
Nikon D300/SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG HSM/Photoshop CS2

休息した子がいたら撮影して、そしてまた上流を見つめて低空を舞い降りてくるスギタニルリの幻想的な景色に心奪われる。
ミソサザイが小さな尾をたてて沢の岩の上を足早に移動してゆきます。
すぐ背後の山吹の枝に、まだ青さが残るウソの若い個体が舞い降り、しばらく私と目が合いました。

気がつけばもう15時過ぎ。
幸せな時間はあっというまに過ぎてゆきました。

FLAVORさん、ありがとうございました。

by Faunas_and_Floras | 2008-04-13 03:45 | 近隣の水系


<< Test ♯839 アズマヒキ...      Test ♯837 Longi... >>